【新刊】『きりえや偽本図書館〜文学パロディ閲覧室』発売開始です。
約一年かかりっきりで制作してきた新刊『きりえや偽本図書館』が、本日発売となりました。
ありったけの力を出し尽くし、面白いと思うものを仕上げたものの、それを世に放つのは怖さ半分楽しみ半分。発売日っていつもそんな心境です。
どんな本になったのか。現在ジュンク堂書店池袋本店9階にて開催中の刊行記念展の様子と合わせて、内容をちょっぴり紹介いたします。
棚に並んでいるものは、どこかおかしな本ばかり。きりえやパロディ図書館へようこそ!
みどころ
1.メインコンテンツ「偽本ブックカバー紹介」
2.メインコンテンツ「原作本紹介」
3.コラム「図書館だより」
4.コラム「司書手作り・館内展示グッズコーナー」
5.無駄に力を入れた「章扉の図書館関連模型」
6.その他のコラム
1.メインコンテンツ「偽本ブックカバー紹介」
中心になるのは偽本ブックカバーの書影とあらすじを紹介するページです。
今回の収録冊数は75種類。内49種類が今年制作した新作で、これまでの約10年間で文学編、映画編を100種づつ作ったペースと比べると異常なスピードで、無茶しました(笑)。
それでも内容が薄まることなく、よりすぐりのものが出せたと自分では思います。その出来はぜひ紙面でご確認ください。
ラインナップとしては、これまであまり対象にしてこなかった歴史、時代小説ならびに童話昔ばなし系が充実してるのが特徴です。
2.メインコンテンツ「原作本紹介」
前2作でも好評の「原作本紹介」コーナー。これまでいただいた「ふざけているのに意外と役立つ本」という評価を守るべく、今回も担当さんとふたり頭を悩ましまとめました。僕も時代小説系をはじめ何本か執筆しています。文の癖とかでわかるかも。
3.コラム「図書館だより」
「図書館」といえば、まず図書館だより(たぶん)。架空の図書館だよりを作り春夏秋冬計4号を章の合間に掲載しました。
内容は季節に合わせた偽本紹介、連載4コマからトピックス、Q&A、ファンアートから広告まで盛りだくさん、全て掲載作品にちなんだものになっていますので、細かい記事は一通りご覧になってからお読みいただくほうが楽しめるかもしれません。
4.コラム「司書手作り・館内展示グッズコーナー」
「図書館」といえば、司書さん手作りの館内展示グッズでしょう! ということで腕に覚えのある皆さんに、掲載偽本にちなんだグッズの制作をお願いしました。「こうきたか!」と驚かされる力作ぞろいで、すべてカラーでご紹介できなかったのが残念です。
展示会場では現物を飾らせていただいてます。
5.無駄に力を入れた「章扉の図書館関連模型」
各章の扉になるページには今回用に制作した棚などの図書館関連什器の模型と、きりえを合成した写真を使用しています。
図書館感を出すために、いろいろこまごま作りました。この手の模型は大昔の仕事(『小学1年生』で写真4コマ連載してたことがあります)で経験済みでしたので、昨年の粘土フィギュアよりは悩まずに作れました。
6.その他のコラム
コラムは他にも
・偽本中のいち場面を切り下ろし「挿絵ギャラリー」
・司書文芸班の皆さんによる「偽本エッセイ&レビュー」
・好きな本が見つかるチャート「ザ・ブックコンシェルジュ」
・意外と当たる?「偽本心理テスト」
・アニメ化作品(ウソ)の設定資料など「当館所蔵資料ページ」
・おなじみ本当に募集したアンケート企画「私が好きな一冊」
・お世話になっている書店員さんにお願いした、プロが作る「偽本POPコーナー」
などなど、充実の内容です。
ようやく世に放つことができました。ご協力くださいました司書チームの皆さん、書店員さん、アンケートにお応えくださった皆さん、ありがとうございました!
発売されてしまえばどれだけの人に楽しんでいただけるかは、本それ自体が持つ力と、あとはすこしの奇跡だと思っています。
サイン書かせていただくとか、自分でできることは何でもするつもりではあるけれど。
楽しんでほしい、売れて欲しい、
沢山の人に愛される図書館になってほしいと心から思います。
どうぞよろしくお願いします!
きりえや偽本図書館 : 文学パロディ閲覧室
高木亮 タカギリョウ(著・文・その他)
発行:現代書館
244ページ
価格 2,000円+税
ISBN 978-4-7684-5951-5
発売予定日2023年10月12日
【内容】
大好評きりえやパロディの第3弾は厳選75作品を揃えた魅惑の図書館!
『舞姫』が『My姫』に、『フランダースの犬』が『普段ダッシュの犬』!?『きりえや偽本大全』『きりえや偽本シネマ大全』に続く、きりえや偽本シリーズ第三弾。本一冊を図書館と見立てて、文学作品のパロディきりえを架空のあらすじとともに75作収録します。今なお読み継がれている古典的作品から、童話・児童文学まで幅広く紹介。各章末には原作紹介を掲載しているので、ブックガイドとしても意外と便利な一冊です。コラムには偽本好きな書店員さんたちによるPOPや、図書館だより、そこそこ適当に作ったわりに意外と当たるブックチャートや心理テストなども掲載。
偽本ポストカード付き!(※初版は『普段ダッシュの犬』)
【目次】
001 日本文学の棚
002 古典/歴史・時代小説の棚
003 怪奇・幻想/ミステリーの棚
004 アメリカ文学の棚
005 ほか海外文学の棚
006 武人文学・悲鳴文学の棚
007 神話・むかしばなしの棚
008 日本童話の棚
009 おとぎばなしの棚
010 海外児童文学の棚
【編著者紹介】
高木 亮(たかぎ・りょう)
きりえ画家。1971年香川県生まれ。抒情的な風景画からパロディまで、多岐にわたる作品に通底するのは「かわいくて、おかしくて、少しだけ寂しい」世界。単著『ねこ切り絵』(誠文堂新光社)、『きりえや偽本大全』『きりえや偽本シネマ大全』(現代書館)等。大学図書館や書店で開催される「偽本展」は20回を超える。
現代書館ウェブショップ
https://gendaishokanshop.stores.jp/items/6503f2b329196f002a45f73c
版元ドットコム(書影まだ)
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784768459515