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2008.03.18
第三十八回

「雪だ、俺」
(ゆきだ おれ)

〈解説〉
 三丁目の公園で彼が自我に目覚めたのはすでに日も高い午前九時のことだった。
 残されたわずかな時間のあいだに彼に何が出来るのか。
 タイムリミットは近い。

画・解説/高木亮(きりえや)


〈追記〉

 風邪を引いた日に雪が降った。外で遊べない僕の布団に、小さな雪だるまが届けられた。暖かい部屋では一緒にいると溶けてしまうと、冷凍庫に入れた。入れたところまでは憶えているのだがその後の記憶がない。
 彼は、いまどこにいるのだろう。





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