個展「きりえや偽本大全」(きりえによる文学パロディの世界)詳細(5/20補足修正)

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現在好評開催中の明治大学中央図書館ギャラリーでの個展。

展示内容の詳細についてお知らせします。

今回のメイン展示となる「偽本」とは、きりえやが制作し続けている文学パロディ作品シリーズの総称です。
もともとは書店でオリジナルブックカバー(書皮)展を行った際「着せれば別の本に見えてしまう偽装書皮」として発表した作品でしたが、人気が出たのでシリーズ化しました。
大事なところですが元がブックカバーですので中身はありません。
映画でいえば「予告編やチラシ・ポスターだけの作品」みたいなものになります。
「実際に存在する本らしく見せかけるため」裏表紙の帯部分すべてにうそのあらすじを載せ「読んで楽しめる」作品になっています。
2011年までに全80種を制作。一旦完結としましたが今回の展示では拾遺篇として新作20点を追加、全100点の完全版を披露します。

このシリーズをもとにした連載が「新潮45」の「切り絵パロディ・新世界文学名作選」(2011~2013)です。
(現在は姉妹編の映画パロディが「切り絵パロディ・贋作名画大全」として「新潮45」誌上で連載中)

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〈内容紹介とみどころ〉

  1. 偽本シリーズ全100冊の紹介
    これまで制作した80冊に新作20冊を合わせた計100冊の表紙と内容をパネルでご紹介。
    (みどころ)
    ・全作品フルカラー化
    これまでモノクロだった絵をすべてカラーにリニューアル。生まれ変わってより説得力(胡散臭さ?)が増しました。
    新作(拾遺篇)20作公開
    80冊で一旦完結したシリーズでしたが100冊のほうが切りが良いこともあり選りすぐりの新作が追加初披露です※。
    ピックアップ作品には原作本解説も
    情報量が多すぎで、会場パネルであらすじ紹介する作品は31作に絞りました。ラインナップは人気の作品と、原作本を学生に読んでほしいもの、ふたつの観点で選んでいます。今回ピックアップ作品には図書館職員の皆さんに原作本解説をつけていただきました。僕が書いたあやしいあらすじと読み比べていただくと一層楽しめると思います。ずっとやりたいと思いながら手の回らなかったことが実現できとても嬉しいです。
    全作品デジタルアーカイブ化
    ピックアップ作品以外のあらすじもなんと今回会場設置PCからご覧いただける予定です。実際のデジタル閲覧システムを偽本に応用。会場で気になった作品の詳細がすぐに検索できる画期的なシステムです。
    ※新作の一部は「新潮45」の連載「新世界文学名作選」で発表済み
  2. 偽本中の一場面を描いた新作きりえ
    偽本の、存在しない本文中の一場面を新作きりえで表現します。該当作品は「罪と獏」、「アーム状」、「ぱしれメロス」。その場面に該当する本文中の一節(書き下ろし)もキャプションに載せましたのでお見逃しなく。
  3. 偽本シリーズ使用きりえ原画(表紙絵・タイトル文字・裏表紙用アイコン)展示
    作品に使用したきりえ原画をまとめて展示します。
    (みどころ)
     ・即興性を生かした生っぽい原画(笑):展示を考えて作っていないため鉛筆の下書きがそのまま残ったり、紙の大きさや切った字の大きさもまちまちです。それを含めライブな感じを味わっていただければと思います。
  4. (特別展示)きりえ画家として
    今回の展示は、前回のかるた展(2012)同様パロディ作家としての高木亮をご紹介するものですが、もうひとつの「叙情的な風景を描くきりえ画家」としての顔も以下4点の展示でご紹介します。
    ・「ノーサイド」(2014/「新潮45」2014年4月号扉絵使用原画※初展示)
    ・「望郷」(2012/「新潮45」2012年7月号扉絵使用原画※初展示)
    ・「藤」(2010/ 2011きりえやカレンダー「アラカルト」使用原画)
    ・「蔦」(2013/ 2014きりえやカレンダー「ユメとバルーン・きょうも」使用原画)
  5. きりえの作り方(あくまできりえや流)
    会場に常駐できませんので、よくご質問いただく「何使ってどうやって切ってるの」にパネルでご説明するコーナーを作りました。独学ですのであくまで自己流です。
  6. 著作・掲載誌紹介
    これまでの著作と掲載誌(掲載紙)の一部をご覧になれます。昨年「赤旗」の連載で好評だった「喧嘩両生類」フルバージョンも読めます。かるたの解説よりずっと長いバージョンです。こちらもお見逃しなく〜

 

〈ご注意ください〉

  1. 販売、在廊はありません。
    今回会場の特性(図書館入口前にある展示スペース・常駐者なし)上、グッズの販売なし、ご観覧のみの展示となります。皆さんとお会いしたいのですが、ずっと僕が立ってるのも逆になんだかあやしく見えるそんな場所ですので在廊日も今回は決めません。ごめんなさい。いつもの感想ノートを設置しますのでそこにひとことでもご記入いただけたら嬉しいです。
    カラーになった書皮の販売はネットショップのほうで行いたいと思います。(会期中に間に合わなかったらこちらもごめんなさい)
  2. 大学内ですが、大丈夫です。
    会場の明治大学中央図書館は御茶ノ水駅から神保町へ下る坂途中、明治大学正面の一番高い建物(リバティタワー)内奥左手にあります。学生でなければ入れない、そんなことはありません。呼び止められたりもしませんので大丈夫です。(最初伺った時ちょっとビクビクでしたけど笑)ギャラリーは図書館ゲート手前の自由に入れる場所にありますのでどうぞお気軽にご来場ください。

〈DATA〉
高木亮個展・「きりえや偽本大全」(きりえによる文学パロディの世界)
日時:2014年5月13日(火)〜6月29日(日)※5月30日(月)は休館
8:30〜21:00 土曜〜19:00 日祝10:00〜17:00
会場:明治大学中央図書館ギャラリー
〒101-8301 東京都千代田区神田駿河台1-1
リバティタワー1F(TEL 03-3296-4252)
入場無料
これまで手がけてきた偽本シリーズの集大成、決定版として、来てくださった皆さんに楽しんでいただける展示を目指し図書館職員の皆さんとともに空間を作り上げました。
ご来場お待ちしています♪

 

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