(新刊画文集のこと1)「カバーといえば、本の顔」

windybook

発売中の、新刊きりえ画文集「ユメとバルーン 風吹く街で」について、作成時のことなどお話するシリーズです。
4回ぐらい、続きます。

第一回の今回は、カバーデザインのお話です。

三冊目の画文集は、「風吹く街で」の絵を中心にしようと前から決めていました。
当然カバーもこの絵を使うつもりで、最終的にはこの形になったわけですが、ここに来るまで今回はいろいろと悩みました。

あ、ビーナイスさんから出ている本は2冊めの画文集以降(「ビリーザトナカイ」含め)僕が編集さんと相談しながらデザインを作っています。

この「風吹く街で」の絵、キャラクターが画面下方にいてその視線動線が左下に抜けてるというちょっと変わった構図をとっています
一枚の絵としてはそれが後ろに広がる町並みや空の広さを強調したり、坂を登る動きを表現したりしているわけだけど、デザイン要素のひとつとして配置するにはどうも収まりが悪い。

いろいろ試してうまくいかなかったので一時はすっぱり諦めて、別の絵で組んでみたりもしました。

anothercover

どちらもそれなりにまとまってたけど、なにぶん当初のイメージからは離れた形なのでいまひとつ「これだ感」に乏しい。
結局、腹を据えて当初のコンセプトでやり直し、出来上がったのが今回の決定デザインです。

画面を配置する位置や、左下に逆に右上を見るユメを置くことなどで全体のバランスを取っています。

今までで一番あれこれ悩んだカバーでしたが、今までで一番気に入ったデザインになりました。(つづく)

 

※画文集「ユメとバルーン」シリーズは全冊個展会場でも販売中。収録されている「風吹く街で」と「灯台」の原画が会場で展示中です。

ユメとバルーン 風吹く街で(きりえ画文集) (ビーナイスのアートブック)

内容紹介
きりえ作家・高木亮の、小さい猫ユメと大きな犬バルーンの日々を綴る代表的なシリーズの2年ぶりの第3弾。 きりえで丹念に切り出された、あの二人の平穏な日々が再び。 「物語を揺り動かす きりえです。」 小さい猫、ユメと大きな犬、バルーン海辺の町で出会い、過ごした二人の日々をきりえで綴る作者の代表的なシリーズ。 “積み重ねられる日々の思いを丹念に切り出すきりえの極致”とも言える作品が次々と生まれています。 少し悲しみも含んだ第1弾、、繰り返される日々を切り取る第2弾に続き、季節ごとの風に吹かれながら揺れ動く二人の心が感じとれます。

  • 単行本(ソフトカバー): 32ページ
  • 出版社: ビーナイス (2016/11/15)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4905389364
  • ISBN-13: 978-4905389361
  • 発売日: 2016/11/15
  • 商品パッケージの寸法: 28 x 21 x 1 cm
  • 価格:2,484円(税込み)

 

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